Filed under: SUV, オートバイ, ハイブリッド, 試乗記, イギリス, ボルボ, デザイン/スタイル, クラシック, ニューモデル, スウェーデン, トライアンフ
この夏は個人的なテーマとして、ブレイクスルーということをよく考えている。次なる新しい自分に出会うために、どうしたら過去の殻を打ち破れるのか。どうしたらより良き未来を構築出来るのか。もちろん明確な答えなんて得られてなくて、自問自答は堂々巡りなのだけれども、まあ、色々迷える子羊なわけです。
そんなちっぽけな個人レベルですら至難を極めるブレイクスルーを、しかし華麗に成し遂げたメーカーが存在する。
そう、今回ご紹介する二つのモビリティーに共通するキーワードは『伝統を打ち破る革新』。
ボルボ XC90とトライアンフ ボンネビルT120だ。
ここのところのボルボの快進撃は凄まじい。厳密に言えば日本には2014年に導入されたモデル以降を指したいが、試乗したモデルすべてに唸らされるほど走りの質感が洗練されているうえに、北欧ならではの個性的なデザインと高い居住性を併せ持ち、プロダクトとしての魅力に溢れていると感じている。
そのボルボが行った"革新"は「ドライブeパワートレーン戦略」と「SPA(Scalable Product Architecture)」という新世代プラットフォーム戦略だ。それらには総額110億USドル(約1兆3,000億円!!)という、え、それってちょっとした小国の国家予算?みたいな、巨額の投資がなされていることからも、競合に打って出ようとするボルボの本気が伺えるものとなっている。
それぞれをちょっと説明すると、フォード傘下に入った時代の遺産として、無駄に(!いやもうホントに混乱するくらい!)散在していた雑多なパワートレーンを整理し、今後のエンジンを2リッター直4以下に抑え、しかも電動化を見据えて開発を行うというのが「ドライブeパワートレーン戦略」、そしてこの「ドライブe」を採用し、さらに電動化(PHV=プラグインハイブリッド)にも対応しながら、さらにボルボの誇る安全性と先進をも実現したのが「SPAプラットフォーム」という、モジュール化である。
この双方が整い、最初に生産されたのがまさに今回ご紹介する7シーターSUV、XC90シリーズなのだ。
中でも今回は個人的にも大注目していた、PHVのXC90 T8 Twin Engine AWD Inscriptionをチョイスしてみた。国内においてはなんと年内分がすでに売り切れてしまっているという、まさにボルボの新しきキラーコンテンツ、人気絶頂のモデルである。
そしてトライアンフ・ボンネビルT120もまた"革新"を遂げている。
外観は1959年に誕生したクラシカルな印象を留めたそのままの雰囲気を漂わせていながらも、ナカミは大幅に近代化されたのだ。
エンジンは完全に新設計のパラレルツインが搭載され、同社言うところの「高トルク型」に。3100rpmという低い回転域から105psの最大トルクを発生させるというそれは、先代比で54%もの向上が図られている。
しかし、ファンを一番驚かせたのは水冷化ではないだろうか。
ボンネビルでも徐々に始まっていたキャブレター インジェクション化に加え、それまでの空冷から水冷へ「近代化」されたニュースに、多くのオールドファンが心を痛め、また心配もしたのだと思う。ボニー(ボンネビルの愛称)はボニーでなくなってしまうのではないか、と。いやでも先に言っとくけど、ちゃんとボンネビルですよこれは!間違いなく。
それ以外にもライドバイワイヤ、トラクションコントロール、スリップアシスト・クラッチなど、安全性と低燃費性をも商品力としてアピールする。
Continue reading 【試乗記】伝統を打ち破る革新。ボルボ XC90&トライアンフ ボンネビルT120:今井優杏
【試乗記】伝統を打ち破る革新。ボルボ XC90&トライアンフ ボンネビルT120:今井優杏 originally appeared on Autoblog Japan on Tue, 16 Aug 2016 04:00:00 EST. Please see our terms for use of feeds.
Permalink | Email this | Comments