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【今週の名車】第1回:戦後のアルファ ロメオに黄金期をもたらした傑作クーペ 「ジュリア・スプリントGT」(1963-1977)

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【今週の名車】第1回:戦後のアルファ ロメオに黄金期をもたらした傑作 クーペ 「ジュリア・スプリントGT」

【ギャラリー】Alfa Romeo Giulia Sprint GT15


戦後アルファロメオを
代表するジュリア・スプリントGT


大戦後、量産メーカーとして再起を図ったアルファ ロメオは、まず1950年に高級車の「1900」(下の写真)を発表し、続いて55年に大衆車の「ジュリエッタ」を世に送り出す。両モデルは量産車でありながら、当時は一部のスポーツカーのみに搭載が許されていたツインカムユニットを搭載し、戦前の伝統を受け継ぐ高性能車として仕立てられたことから発表と同時にたちまち人気車種となる。


両モデルの成功(ポルテッロ工場でライセンス生産していた「ルノー ドーフィン」のヒットも追い風となった)により、アルファ ロメオはイタリア国内でシェアを伸ばすことに成功する。そして、50年代後半に入ると両モデルの後継車種の開発がスタートした。こうして誕生したのが57年発表の2000であり、62年発表のジュリアであった。


このジュリアであるが、当初ニューボディで登場したのはベルリーナ(セダン)のみ(上の写真)で、スポーツモデルの4座クーペは、車名が「ジュリエッタ・スプリント」から「ジュリア・スプリント」に変更された上で継続生産されることになった(車名変更に伴い、新たに1.6Lエンジンが追加され、外装の意匠が小変更を受けた)。しかし、これはあくまでも暫定モデル。翌63年秋に4座クーペもフルモデルチェンジを受け、装いも新たに「ジュリア・スプリント GT」として登場している(それまでのスプリントは1.3Lモデルのみ「GT1300 ジュニア」の名称で66年まで継続生産された)。


若きジウジアーロが手掛けた
魅力的なスタイリング


スプリント GTのスタイリングは前モデルに引き続きカロッツェリア・ベルトーネが担当したが、実際にデザイン画を描いたのはフィアットから同工房に移籍した弱冠26歳(発表時の年齢)のジョルジェット・ジウジアーロである。

当時のアルファロメオは、稼ぎ頭のベルリーナは自社でデザインするいっぽう、華であるクーペやコンバーチブルなどの変わりボディは著名なカロッツェリアに外注してデザインすることが通例であった。

全長4076mm × 全幅1578mm × 全高1320mm、ホイールベース2350mmというコンパクトなボディサイズにも関わらず、大人4人が乗ることができる居住空間を確保した上で華飾を排したシンプルかつ美しいスタイリングを実現した辺りは、若きジウジアーロの才能があますことなく発揮された結果である。

ジウジアーロにとってスプリント GTは、ベルトーネのチーフデザイナーになってから3作目に当たる。彼の最初の作品は60年のジュネーブショーでお披露目となった「ゴードン・キーブル GT」であり、2作目が同年に発表された「アルファ ロメオ 2000 スプリント」であった。スプリント GTはサイズこそ違うものの2000 スプリントと同じ主題でデザインされた4座クーペであり、各ピラーとルーフが構成するキャビン上屋のラインに共通点を見出すことができる。だが、前モデルのリアエンドはボテッとして暑苦しく、精錬度という点ではスプリント GTに軍配が上がる。この2台を比べるとジウジアーロの天分の才がわずかな期間の間につぼみから花開いたことが見て取れる。


60年代当時としては
先進的なメカニズムを採用


もちろん、スプリント GTはスタイリングの美しさだけで名車になったわけではない。心臓部にはツインキャブを装備したオールアルミ製の直4DOHCが搭載され、組み合わされるギアボックスはジュリエッタの4速MTから5速MTへと進化し、ブレーキは一気に4輪ドラムから4輪ディスクとなるなど、60年代前半の量産車としては前例がないほどの高性能車として仕立てられている。

足回りは先にデビューしたベルリーナと同じく、フロントがダブルウィッシュボーン、リアはトレーリングリンク&コイルのリジットとなるが、そこはセッティング巧者のアルファ ロメオが手掛けただけあってネガとはならなかった。ロードホールディングは大変素晴らしく、ボディが深くロールしてもけっしてタイヤが路面から離れることはなく、スタビリティは大変高かった。そのことは60年代のツーリングカーレースでライバルとなったBMW 2002が四輪独立懸架を採用していたにも関わらず、ジュリアに対して決定的なアドバンテージとならなかったことからも証明されている。

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【今週の名車】第1回:戦後のアルファ ロメオに黄金期をもたらした傑作クーペ 「ジュリア・スプリントGT」(1963-1977) originally appeared on Autoblog Japan on Fri, 18 May 2018 21:00:00 EDT. Please see our terms for use of feeds.

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